― 99%の「断り」が人を壊すまで ―
かつての僕は、営業の電話をかけるたびに「断られる未来」しか想像できなかった。
「すみません、興味ないです」
「もう間に合ってます」
「二度と電話しないでください」
そんな言葉が、毎日100回飛んでくる。
そりゃ自信なんて、すり減るに決まってる。
①【自己不信】
「おれ、営業に向いてないのかも…」
断られるたびに、少しずつ自分が壊れていく感覚。
明るくて社交的なやつが売れる世界で、
根暗で人見知りな自分が売れるわけないって、勝手に決めつけてた。
②【手法不信】
「いや、たぶんこのトークがダメなんだ」
先輩がくれた営業台本。
「これで俺は月3件取った」と言うけど、こっちは3週間で0件。
やり方が悪い。時代が違う。そんな言い訳で自分を守るようになる。
③【商材不信】
「いや、そもそもこの商品、売れないだろ」
「高すぎる」「競合の方がいい」
断られた理由を、全部商材のせいにするようになった。
自分を責めるのが怖くて、商品に怒りをぶつけてた。
④【会社不信】
「ってかこの会社、終わってんじゃん」
組織体制、マネージャー、評価制度。
ひとつずつに文句が出てくる。
「こんな環境で結果出せるわけがない」
そう言って、朝の出社がどんどん遅くなった。
⑤【職種離脱】
「俺、営業じゃなければイケる気がする」
ついに転職サイトを開いた。
「営業以外」でフィルターをかける自分。
あれだけ「絶対に売れる営業になる」と言っていたくせに、
最後は「営業以外なら…」と逃げるように職種を変えた。
でもね。
僕が本当に捨てていたのは「営業」じゃない。
**「愛されない自分でも戦える方法」**を、知らなかっただけだった。
(つづく)
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